業界一筋45年の社長の元、基礎から学んだプロ集団
クォスの強みは、社長自身がデータ入力の業界経験45年のベテランであること。先に述べたとおり、手動式タイプライターの時代からコンピュータへの変遷まで、データエントリに関する技術を知り尽くしている。「データ入力に関しては、少々うるさいかもしれません。私自身がキーパンチャーだったので、後輩に具体的に伝えられる知恵や技術が多いのかもしれませんね」。
クォスは、野口の厳しい眼の下で、データ入力の技術をイチから学んだプロフェッショナル集団なのである。たとえば、データエントリ業務には操作性に優れた入力専用ソフトを使用。そしてデータエントリのプロとして、ローマ字入力でなく、カナ入力を徹底する。カナ入力を行う理由は、タッチ数に大きな差が出るからだ。
たとえば、「東京都 多摩市」と入力した場合、ローマ字なら「toukyouto tamashi」と16文字だが、カナ入力なら「とうきょうと たまし」と9文字。単純にコスト計算すると、カナ入力はローマ字入力の60%弱で済むことになる。「常に、どのようにすればラクに正確に入力できるのか、お客様の費用を抑えられるのかを考えています」
技術を常に磨き、スピードテストでは「今でも負けません」
従業員の技術と知識を磨く、厳しさも忘れない。社員教育の他、毎月一回、オペレータが全員参加して行う「入力スピードテスト」。上位5名に賞品を進呈し、皆、「トップを取りたい」と意気込む。
「プロとしての意識が必要な業界だと思います。入力のスピードと正確さは、プロとしてのプライド。その技術は、会社としてしっかり評価しています」。ちなみにスピードテストには、野口も“現役”オペレータとして参加する。「スピードで、衰えるのが嫌なのです!」
また、オペレータと一緒に競うことで、皆を激励する気持ちもあります。プロのスピードは、日本語入力なら10分間に800~900文字を正確に打てないとダメ(日商ビジネスキーボード認定試験基準)なのですが、私は今でもそのスピードは維持しています」