苦しい時期を支えてくれた仲間は「財産」
2012年に青森事業所を撤退した際、先輩経営者に相談すると、「残る従業員のことを第一に考えるべきだ」とアドバイスを受け、事業所ごと他社に譲る形で従業員たちの雇用を継続させた。しかし野口としては売上激減・事業所撤退による精神的ダメージで、会社をたたむことすら考えた。それを支えたのは、従業員たちだった。「皆が『会社を続けたい』と頑張ってくれました。それで、私も『もう一度、頑張ろう』とやる気になったのです。支えてくれた人たちがいることは、財産ですよね」
「人の運に恵まれています」
データ入力のプロフェッショナル企業として25年走り続けてこられた理由は、「人の運」に尽きるという。「開業時に仕事をくれた人、たまたま再会して仕事をくれた人、一緒に会社を立ち上げた人、弊社に入ってくれた社員や在宅スタッフ……。とにかく、私は『人の運』に恵まれていると思います」。
人のご縁は、人柄が運んでくるものではないだろうか。真摯で愚直なまでに業界一筋、野口の仕事に対する姿勢は真面目そのもの。そして春には桜の咲き誇る川沿いのオフィスで、今日も多くのオペレータが黙々とパソコン画面に向かっている。静けさの中に、気配りと温かさのある会社。今後も多くのご縁が繋がっていくことだろう
【番外編】
野口が好きな食べ物は江戸前寿司、特に塩と酢の加減に職人技が光る「こはだ」。「酢の味には敏感です。美味しい寿司屋を選ぶ基準は『こはだ』かも」。出汁や醤油の素材にこだわるほど料理上手な旦那さんとは、食事に関する話題も面白いそう。また、休みの日には電車に乗って旅行に出掛ける「鉄ちゃん」な一面も。そして夜中に熱中するのは、オンラインゲーム「ドラクエ」。「オンライン上に4年来のお友達もいて、彼らは私を若い女性だと思っているみたい。さすがにもうこちらの職業や年齢を言えなくなりました(笑)」。
誰に対しても敬語で礼儀正しく、穏やかに語る野口。仕事への筋の通った厳しさときめ細かい気配りで、クォスの新しい出会いを紡いでいく。
- お客様のニーズに寄り添う、きめ細やかな仕事で、設立25周年
- 祖母、母の働く姿を見て、『一生働きたい』と思った文学少女
- 手動式タイプライターからコンピュータに変遷する時代に就職
- 自宅の3畳間で起業。100万円のパソコンを揃えたが、仕事が頓挫!
- 会社の規模が拡大したきっかけは、『入院』
- 業界一筋45年の社長の元、基礎から学んだプロ集団
- 技術を常に磨き、スピードテストでは『今でも負けません』
- コスト削減のお手伝い、『アンケート項目のつくり方』からアドバイス
- 企業理念は『関わる人すべてがハッピーになる会社』
- 効率良く働き、ワークライフバランスを大切に